【マラソン】走るたびに膝を痛めていた初フルマラソン6時間40分の男性ランナーが、なぜ3時間58分で走れるサブ4ランナーになれたのか?


日曜日、昼さがり、あやしげな電話。


2018年3月25日、日曜日、13時頃。
仕事用の携帯電話が鳴った。
液晶画面には、見慣れた名前の文字が浮かんでいる。
川見店主は、受話ボタンを押して、耳元に電話を押し当てた。

「はい、オリンピアサンワーズです」

「……ハァ、ハァ、ハァ……」

「もしもし?」

「……ハァ、ハァ、ハァ……」

なにこのあやしげな電話!
耳元から電話をはなした。
液晶画面を確認した。
そこに映るのは、やはり、よく知るランナーの名前だった。
一体何があったのだろう?
もう一度、耳元に押し当てる。

「もしもし?○○さんですよね?」

「……やった……やった……」

「え?なんて?」

「……き、切れた……切れた……」

「な、何が?どうしました?」

「よ、4時間……4時間切れました!」


サブ4達成した「YDK」


本日のお客様は、愛知県からお越しのY1Rさんです。

――Y1Rさん、こんにちは。

Y1Rさん:「こんにちは、お世話になってます」

――2012年に初フル挑戦を6時間40分で「完歩」。その後、走れば走るほどに膝が痛むようになり、インソールで問題が解決するならと、オリンピアサンワーズに初めてご来店されたのが2013年の末。その後、どんどん走れるようになり、遂にはフルマラソンを「ほぼほぼサブ4」で走れるまでになったY1Rさんの話は、ちょうど一年前(2017年7月)のブログに書きました↓
  Y1Rさん:「いつもうまいこと書いてくれますねぇ」

――そして、ついに!Y1Rさんは、今年(2018)3月25日のとくしまマラソン3時間58分20秒で大激走!念願の初サブ4を達成されました!
おめでとーございまーす!
ナイスラン、ないすらんないすらーーーん!(最大賛辞のないすらん3連発)

いよっ!


Y1Rさん:「これでやっと、サブ4ランナーの仲間入りです」

――ところで、とくしまマラソンをサブ4でフィニッシュされた直後、Y1Rさんは川見店主に電話をかけられたそうですね。

Y1Rさん:「フィニッシュし、メダルをもらい、競技場のトラックを歩きながら、サブ4の感動興奮のままに、電話をかけてました」

――川見店主は言ってました。
日曜日の昼下がりに、吐息ばかり聞こえるあやしげな電話がかかってきたと思ったら、Y1Rさんだった」と(笑)。

Y1Rさん:「走り終わってすぐで、まだ呼吸が乱れてたんですよ(笑)」

――そして、Y1Rさんのサブ4達成に感動するとともに、感激してました。
レース直後に喜びのご報告をくださるなんて、こんなにうれしい、ありがたい話はない」と。



Y1Rさん:「いい報告ができてよかったです。やっぱり自分は、『YDK』だったようです」

――ん?「YDK」ってなんですか?

Y1Rさん:「『やればできる子』です(笑)」


サブ4までの「41秒」


――さて、ここで、Y1Rさんの「サブ4への道のり」を振り返りたいと思います。

Y1Rさん:「はい」

――まず、オリンピアサンワーズに初めてご来店された2013年冬から、2017年春までのY1Rさんの主なフルマラソン戦績はこんな感じでした↓

・2014/02 京都 5:07:09
・2014/10 大阪 4:53:41
・2015/02 京都 4:13:39
・2015/11 神戸 4:06:57
・2016/04 徳島 4:04:38
・2017/03 静岡 4:02:53
・2017/03 徳島 4:00:40

Y1Rさん:この店でシューズをフィッティングするようになってから、どれだけ走っても、もう膝が痛くなることはありません。奇跡のインソールに出会えたって思ってます」

――毎シーズン、自己ベスト記録も更新しておられます。

Y1Rさん:「少しづつではありますけども」

――2017年3月の徳島(とくしま)マラソンでは、4時間00分40秒と「サブ4」までわずか「41秒」と迫りました。

Y1Rさん:「がんばったんですけどね、一歩届かずでした」

――この「41秒」を越えることが、昨シーズン(2017秋-2018春)のY1Rさんの戦いでした。その前哨戦として出場されたのが、一年前夏の北海道マラソン(2017/8/27)でしたね。

Y1Rさん:「北海道といってもね、8月はめちゃめちゃアッつかったですよ。記録は4時間16分でした」

――Y1Rさん的にもツラいレースだったのでしょうか?

Y1Rさん:「いえ、むしろ好きな大会でした。アッつい中でも『オレ、走ってるな』と汗だくになる感じが最高でした(笑)」

――あのー、一年前のブログに紹介してますが、「わざわざ北海道まで行ってフルマラソンを走るなんて、なかなかヨメさんに言えない問題」がありましたよね?その後、どのようにして北海道行きの許可を奥様から得たのですか?

Y1Rさん:「大会の数週間前のある日、ヨメさんに『北海道マラソンに出場する』と言いました。ヨメさんからは、下からなめるように睨(にら)まれ、『あ~ん?』と一言だけかえされました」

――すごい緊張感あります。

Y1Rさん:「その表情には『マラソンのためだけに北海道へ行くだと~?』という怒りがありありと読み取れました」

――心折れそうです。

Y1Rさん:「そこでヨメさんに『北海道のおみやげは何がいい?』と聞きました。するとヨメさんが『おみやげは……』って考えはじめたので、よし、これで行けるなと(笑)」

――なるほど!「マラソン」から「おみやげ」に話題をすり替えて、北海道へ行くことを「大前提」にしてしまったわけですね!さすがですね!

Y1Rさん:「こう見えて、YDK(やればできる子)ですから」

――Y1Rさんは、2017年の末にもご来店、シーズン後半戦を走り抜く2足のランニングシューズをフィッティングされました。
2017-2018シーズン後半を走り抜く2足のランニングシューズをフィッティング。左がレース用、右がトレーニング用。それぞれ最上級インソールのゼロアムフィットを装着。

そして、2018年が明けてからのY1Rさんは、
・2/18 京都 4:10:28
・3/04 静岡 4:15:56
と、サブ4目指して果敢な挑戦をつづけられました。

Y1Rさん:「この2本のレースで、ようやく『フルマラソンを走る足』ができてきたな、っていう感覚がありました」



「この感動をわかってくれる人に」


――こうして迎えた2018年3月25日のとくしまマラソン。どんなレースでしたか?

Y1Rさん:「調子がよかったです。5キロ地点で、自分の走るべきコースが開けて見えるような気がしました。動く歩道を走っているような感覚でした」

――へー、そんな風に走れたのですね。

Y1Rさん:「沿道のおばあちゃんが『あと37キロじょ。』と書かれた看板を持ってましたけど、笑えるくらいの余裕がありました」

――37キロじょ。まだまだゴールは遠いです。

Y1Rさん:「折り返し手前で、これから対峙する登り坂を前に、野口みずきさんがハイタッチをしてくれ、力が湧きました」

――五輪メダリストの応援は心強いですね。

Y1Rさん:「30キロ地点で4時間のペーサーに抜かれました。離されないように喰らいつていきました」

――おお、ここが勝負の分かれ目!聞いてて手に汗握ります。

Y1Rさん:「35キロ地点で腕時計を確認しました。残りをキロ6分で走ればサブ4は達成できるはず。いつもは、ここから崩れてキロ7分になるので、
『止まったら負け。歩いたら負け。今の自分に陶酔しろ』
とブツブツ呪文のように唱えながら走りました」

――一瞬一瞬、一歩一歩が、己との戦いですね。Y1Rさん、がんばって!

Y1Rさん:「残り1キロ、最後に腕時計を確認。右足を見ると、ちゃんとシューズに計測チップもついている。これで間違いなくサブ4できそうだと思うと、色んな思いがこみあげてきました」

――計測チップも確認、それがランナー心理なのですね。そして、感動のフィニッシュへ!

Y1Rさん:「ゴールして腕時計のストップボタンを押すと、左端に『3』の数字が表示されていました」


――4時間切り達成!

Y1Rさん:「フィニッシュしてふらふらと歩きながら、『ああ、オレはついにサブ4を達成した。今までの苦労と、この瞬間のこの感動を、一番わかってくれる人に伝えたい』と思いました。すると、手が勝手にポケットからスマホを取り出し、川見店主に電話をかけてました」

――まさにレース直後、あふれだす思いのまま、呼吸も整わぬうちにお電話をくださったのですね。

Y1Rさん:「感無量でした。帰りの新幹線は新神戸から名古屋まで、自分へのご褒美でグリーン車に乗ってやりました(笑)」


なんとしてもサブ4を達成したかった理由


――今後のレースのご予定はお決まりですか?

Y1Rさん:「今のところ、11月の岡山マラソンが決まってます」

――目標タイムは?

Y1Rさん:3時間55分です。今日は、そのためのレース用シューズとインソールをお願いします」
岡山マラソンを3時間55分で走るためのレース用ランニングシューズをフィッティング。装着したのは最上級インソールのゼロアムフィットでどん!

新しいランニングシューズに足を入れたY1Rさんは、履き心地を確かめるために、アッつい大阪の街の中へ走りに行かれました。
数分後、汗だくでおかえりです。

Y1Rさん:「いい感じです。これで、岡山マラソンは3時間55分で走れるでしょう(笑)」

川見店主:「今回のサブ4達成には、これまでのレース経験がすべて生かされましたね。そうでないと、35kmからの執念がでません」

Y1Rさん:「そう言ってもらえると、うれしいです」

川見店主:「お仕事でお忙しい中、走りつづけるのって大変でしょう?」

Y1Rさん:「実は今春から勤める部署が変わりまして、24時間365日、呼び出しの電話があればすぐに職場にかけつけねばならなくなりました」

川見店主:「えーっ!それは大変ですね」

Y1Rさん:「これからはマラソン大会に泊りで遠征することが難しくなりそうです。だからこそ、今年3月のとくしまマラソンでは、何としてもサブ4を達成しておきたかったんです」

川見店主:「サブ4の背景には、そのような事情もあったのですね。ちなみに、Y1Rさんは、どんなお仕事をされてるのですか?」

Y1Rさん:「実は、私はこういう者で……(名刺をわたす)」

川見店主:「うわぁ、Y1Rさんって、めっちゃ偉い人じゃないですか!」

Y1Rさん:「いっときますけど、僕はこう見えて偉い人なんですよ(笑)」

つーわけで、「YDK(やればできる子)」で「KME(こう見えて偉い人)」であることが判明したY1Rさんでした。
益々のご健闘をお祈りいたしまーす!


旧ブログのY1Rさん記事もちぇけら!↓

<2013年>
・12月 Y1Rさん初めてのご来店

<2014年>
・07月 5時間07分で走った話
・11月 4時間53分で走った話

<2015年>
・01月 4時間13分で走った話
・07月 店主と看護師さんにおこられた話
・11月 4時間06分で走った話

<2016年>
・02月 目指せ4時間5分!の話
・05月 4時間04分で走った話
06月以降のY1Rさんからのコメント

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