【ウルトラ】100kmを9時間4分で走る男性ランナーは夜明けとともにタイタンを目指す。

2016年9月18日。 時刻は午前4時をまわった。 暗がりの中でスタートラインに並ぶその人は、これまでにない不安と緊張を感じていた。 「果たして、自分は完走できるだろうか?」 歴史街道丹後100kmウルトラマラソン。 この大会は6年連続の出場となる。 過去の記録。 ・2011年 11時間02分 ・2012年 9時間34分 ・2013年 9時間16分 ・2014年 9時間26分 ・2015年 9時間04分(PB) 今年は9時間切りを達成するつもりだった。 でもそれは不可能というものだ。 2月に行ったスキーで左足首を骨折。 3月までろくに歩けなかった。 4月からようやく走れるようになった。 しかし、無意識に左足をかばい、ランニングフォームのバランスが崩れていたのだろう。 1か月前に腰痛が起こりまた走れなくなった。 それからはまともな練習もできず、今ここに立っている。 そんな今の自分には、100kmを完走することも夢のような話なのかもしれない。 スタートの時刻が迫る。 まず、この場所に立てたことを感謝しよう。 そして、走れるだけ走ろう。 100km先の自分がどうなっているのか見当もつかないけれども、もし走り切れたら――とその人は思う。 「自分は涙を流すんじゃないか?」 午前4時30分。スタート。 夜が明けようとしている。 暁を予感し、その人は走りだす――。 ***** 折れた足でミッション車を運転する人 本日のお客様は、ウルトラマラソンで サブ9.5 、フルマラソンで サブ3 ランナーであるカズナリさんです。 ――カズナリさん、こんにちは。 カズナリさん: 「いつもお世話になってます」 ――カズナリさんが初めてご来店されたのは3年前(2014年)の春。以来、カズナリさんの激闘ぶりは、旧ブログでも度々ご紹介させていただきました。 特に、2015年の 丹後100km9時間04分の大激走 と、 大阪マラソン3時間02分で2万人抜き大爆走 は、我々の記憶に新しいところです。 2015大阪マラソンを走るカズナリさん(右)。この後、2万人抜きの大爆走。 しかし、昨年(2016年)は、思いもよらぬトラブルがカズナリさんを襲いました。 大変な一年でしたね。 カズナ...