( その2「8年ぶりにやってきた彼女は3足のシューズをフィッティングした」 のつづきです) 彼女には3つの夢があった。 三段跳びで12mのジャンプがしたい。 全国インターハイに出場したい。 そして、女子キャプテンとして、チームも全国大会の舞台へ連れていきたい。 彼女はもう時間を無駄にはできなかった。 川見店主に教えてもらったとおり、立ち方歩き方の姿勢を常に意識した。 カラダの柔軟性を高めるトレーニングを、日々欠かさずに行いつづけた。 2週間後。全国インターハイ熊本県予選大会。 2週間後。 2017年6月2~5日。 熊本県えがお健康スタジアム。 全国インターハイ熊本県予選大会。 彼女が出場した種目と残した結果。 ・走幅跳び決勝 5m41cm 第4位 ・三段跳び決勝 11m70cm 第1位 ・4×400mリレー決勝 第2位 彼女はこの3種目で南九州地区予選大会への進出を決めた。 驚きは走り幅跳びの記録だった。 彼女は年が明けてから走り幅跳びの練習をほとんど行っていなかった。 この県大会の試合は「出れるから出てみた」だけだった。 スパイクシューズも「走り幅跳び用」ではなく、2週間前にフィッティングしたばかりの「三段跳び用」でのぞんだ。 それなのに、高2までの自己ベスト5m29cmから12cmも記録を更新したのだ。 彼女は変化を感じはじめていた。 走ればスムーズに加速に乗っていける。 助走のトップスピードがあがっている。 ジャンプの勢いが明らかに増している。 跳躍した上半身がバネのようにしなる。 そして、接地する最後の瞬間、空中で何かに背中を押されたように「グン」とカラダが前方へ運ばれ、飛距離が伸びる――そんな感覚を知りはじめていた。 30日後。全国インターハイ南九州地区予選大会。 【女子走り幅跳び決勝】 30日後。 2017年6月15日。 熊本県えがお健康スタジアム。 全国インターハイ南九州地区予選大会、初日。 女子走り幅跳び決勝は22名の選手で競われた。 勝負は2段階で進む。 まずは各選手が3回試技を行い、上位記録の8名だけが生き残り14名が脱落する。 上位8名はひきつづき3回試技を行い、計6回の試技の中での最高記録で順位を決定する。 そのうち全国インターハイへ
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