【中距離走】800mを1分56秒で走る中学生は、なぜ、たった3カ月で記録を6秒も更新できたのか?~中距離ランナーりゅうきくんの話(その1)



中学3年の春、彼の能力は目覚めた。

彼は中学生になって陸上部に入った。
走ることが好きだ、という「自覚」はあまりなかった。
がんばろうという気持ちも、さほど強いわけではない。
本人にも、お父さんにもお母さんにも、わからなかった。
彼の能力は地中深くにあって、誰の目にも触れなかった。
そのまま、中学校の2年間が過ぎた。

中学3年の春。
時は突然にやってきた。
眠っていた彼の能力は目覚め、大地を蹴破り一気に発芽した。
そして、わずか3か月で、途方もない花を咲かせることになる。
話は、2016年5月1日の出来事からはじる。


【2016年5月1日 京都市中学校総体】

彼は男子800m決勝のレースで、これまでにない走りっぷりを見せた。
他の選手たちを大きく引き離して独走し、ぶっちぎりで優勝。
記録は2分02秒40。
この快挙に、彼のチームは大騒ぎになった。
観戦していたお母さんは、驚きやら感動やらで涙が止まらなかった。
お父さんは、これは大変なことになったと思った。
全中(全日本中学校陸上競技選手権)の男子800m出場資格は2分01秒。もう少しがんばったら、息子は全中に出場できるんじゃないか?

ならば、とお父さんは思う。
できるかぎりの応援をしてやろう。彼の足に合うシューズを買ってあげよう。
色々調べていると、ある店のブログを見つけた。
そこには、同じく800mで全中に出場を果たした、ある男の子のことが書かれていた。
よし、この店に息子を連れて行こう。
思い立つとすぐ、その店に電話を入れた。

お父さんが読んだ「R太郎くん伝説」↓


800m2分切りと全中出場を目指して


【2016年5月12日 オリンピアサンワーズ】

ご両親に連れられて、彼はオリンピアサンワーズにやってきた。
長身で細身、優しい顔をしていた。
川見店主は彼に聞いた。

川見店主:「800mで2分切りたいよね?全中に行きたいよね?」

彼は、一緒に来た小さな妹の遊び相手をしながら、はい、とこたえた。
川見店主は、その立ち姿を見て、彼のランニングフォームが想像できた。

川見店主:「今の彼は、きっと下半身だけで走ってます。上半身も使って走れるようになれば、800mで2分を切れると思います」

お父さん:「ホントですか!これから何をすればいいですか?」

川見店主:「まずは『立つ・歩く』姿勢から改善しましょう。それに、大事な成長期ですから、食事のことも一緒に考えましょう。そして、彼の使用するシューズは、全部見直すことになります」

お父さん:「わかりました、すべておまかせします。せっかく全中が見えるところまで来たのですから、息子にはとことんがんばらせてやりたいです」

話は決まった。
目指すは800m2分切りと全中出場。
川見店主はプラン(計画)を進めた。
姿勢を整えるトレーニング器具と、必要な栄養を補うサプリメントを用意した。
そして、ランニングシューズを2足、スパイクシューズを1足選び、オーダーメイド・インソールでフィッティングした。特にスパイクシューズは、彼の走力を考慮して、「中距離専門」よりもプレートがやや柔らかい「中・長距離用」を選んだ。
2016年5月。スパイクシューズ(中)は「中・長距離用」をフィッティング。装着したオーダーメイドインソールは、いずれも最上級インソールのゼロアムフィット。この画像の元記事はこちら。

彼は、それぞれのシューズに足を入れ、履き心地を確かめるために店内を軽く走った。
妹は、キャッキャッとお兄ちゃんを追いかけた。
彼はイヤな顔ひとつせず、妹と一緒に走ってあげた。
それを見て、彼はとても優しいのだと川見店主は思った。


そして、快進撃がはじまる

その後、彼は胸のすくような快進撃をつづける。
以下、彼の軌跡。


【2016年6月18日 京都市中学校選手権】
男子800m 2分01秒77 優勝。
全中出場資格の2分01秒まで、あと0.77秒に迫る。


【2016年7月9日 全日本中学校通信大会】
・男子800m 1分59秒88
このレースを見ていたお父さんは、その場で川見店主に電話を入れた。
「やりました!息子が2分切りました!全中にも出場できます!」


【2016年7月23日 オリンピアサンワーズ】
ふたたびの来店。

川見店主:「全中出場おめでとう!2分も切ったね!すごいね!よかったね!」

彼は少し照れくさそうに笑い、はい、とこたえた。

お父さん:「短期間でこんなにタイムがあがるなんて、ビックリしています。インソールの効果はすごいですね!このお店に来てホントによかったです」

川見店主は、彼の走りが安定してきたと判断。
全中で勝負するために、新たに「中距離専門」のスパイクシューズをオーダーメイド・インソールでフィッティングした。
彼は、スパイクシューズに足を入れて履き心地を確かめると、満足そうに笑顔でうなづいた。
2016年7月。彼の2足目のスパイクシューズは中距離専用をフィッティング。装着したオーダーメイドインソールは、最上級インソールのゼロアムフィット。この画像の元記事はこちら。

【2016年7月27日 京都府中学校総体】
・男子800m 1分58秒73 優勝


【2016年8月07日 近畿中学校総体】
・男子800m 1分58秒86 2位入賞。


【2016年8月22日 全中(全日本中学校選手権)】
・男子800m
 予選  1分57秒23 
 準決勝 1分56秒91


見てのとおり。
この3か月間、彼は走るたびに自己ベスト記録を更新しつづけた。
競技場にいるお父さんからは、いつも喜びの電話がかかってきた。
その声は、川見店主の携帯から周囲の人に漏れ聞こえるほど大きかった。


彼の能力を花開かせたものとは?

結局、彼はたった3ヶ月で6秒も速くなり、全中では準決勝にまで進出を果たした。
彼の能力を花開かせたのものは何か?

こんなエピソードがある。

ある日の試合、800mのレース。
彼の体調はすこぶるに悪かった。
棄権するしかないと思うほどだった。
でも、先生に頼まれた。
チームメイトでなかなか記録の上がらない選手がいた。

「アイツを2分切りさせるために、お前がレースで引っ張ってやってくれないか」

その子のためならと思うと断われなかった。
フラフラしながらも彼は走った。
懸命にチームメイトを引っ張った。
彼のリードでチームメイトは2分を切れた。
彼も自己ベスト記録を更新してしまった。

――この話を聞いた時、川見店主は謎が解けた気がした。
「自分」ではなく「誰か」のために走れてしまう。
「自分」よりも「みんな」を喜ばせたいからこそ、がんばれる。
そんな「優しさ」と「強さ」が、彼の能力を花開かせたのだろう。
彼、りゅうきくん自身には、そんな「自覚」はないみたいだけれど。


(つづきます↓)
・その2 800mで大会新記録を樹立した高校1年生が、レースで先頭を走る理由

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