【マラソン】初めてフルマラソン42.195kmを完走したある女性ランナーの話をしよう。
ひまわり畑がその人を待っていた。
5時間走りつづけた。
42.195kmは遠かった。
でも、その人の足取りは、決して重くはなかった。
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はじめて10km走って桃を6個もらう
その人が走りはじめたきっかけの話。
3年前、健康のために歩くことにした。
でも、歩いているだけでは飽きてきた。
しばらくして走ってみることにした。
はじめは30分も走れなかった。
つづけたらだんだん走れるようになった。
それはちょっとした驚きだった。
「というのも、私にはこれまでスポーツの経験がほとんどありませんでしたから。高校は美術部、しかも、入部した次の日から行かなくなったくらいに(笑)、何かをつづけることも苦手だったのです。」
30分間のランニングを週4日つづけて1年。
せっかくだから、何か「マラソン大会」と名のつくものに出てみようかと思う。
「走ってよかった、楽しかったって、イイ思いをしないと自分はもう走らなくなると思ったので、評判のいい大会を探しました。」
2015年8月。
初めてのマラソン大会は10km。
東北の街を1時間と43秒で完走。
「その大会は参加者賞に桃がもらえました。遠く県外から来た参加者は、さらに多くの桃がもらえました。私は6個もらいました。うれしかったです。帰りの荷物が大変だったろうって?いいえ、宅急便で自宅に送りました(笑)。」
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3種類のランニングシューズで完走を目指す
10kmの完走は大きな自信となった。
あるランニングのクリニックに参加した。
周囲の参加者の声に驚いた。
「今年は○○のフルマラソンに出場する」
「次のフルマラソンは○時間○分で走る」
みんなフルマラソンを走る話ばかりしていた。
「そんなところに来る人たちなのですから、今から思えば当然なのですが。でも、その頃の私はフルマラソンを走るなんて、これっぽっちも思ってませんでした。」
しかし、心のどこかに「フルマラソン」の言葉が残った。
2015年12月。
初めてのハーフマラソンに挑戦。
2時間08分で完走。
しかし、左脚の腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)を痛めた。
それから4か月間は走れなくなった。
年が明けて2016年。
3月、ふたたびランニング開始。フルマラソンもいくつか申し込んでみた。
6月、10kmレースを59分で走る。しかし、このレースで再び脚を痛めた。
フルマラソンが1つ当選していた。
開催は3か月後の9月。
このままでは到底走れそうにない。
「とても不安になりました。どうしようかと色々調べて、このお店を見つけました。お店のブログも読みました。」
「ブログに出てくるランナーは速い人ばかりですね。私みたいな初心者がこんな専門的な店に行ってもいいのかなって思いました。けど、自分の足に合ったランニングシューズが欲しかったですし。それに、ちゃんとした走り方も誰かに教えてもらいたかったのです。私も『チカン撲滅式うでふり』を練習したいなって(笑)。」
(チカン撲滅式うでふりの話はこちら)
2016年7月、初めてのご来店。
その人がムリなく走れるように――川見店主は、まずは「歩く・ゆっくり走る」からのトレーニングを薦め、そのためのシューズをフィッティングした。
それからの3週間、その人は毎日「歩く・ゆっくり走る」トレーニングを地道に重ねた。
3週間後。ふたたびのご来店。
新たに走りこみ用とレース用のランニングシューズをフィッティングした。
装着したオーダーメイドインソールは、いずれも最上級インソールのゼロ・アムフィットだった。
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2016年6-7月。3週間に渡って行ったランニングシューズのフィッティング。ブルーがレース用、レッドが走りこみ用、ブラックが「歩く・ゆっくり走る」用のランニングシューズ。 |
これでランニングシューズは万全だった。
次に見直すべきはランニングフォームだった。
カギは「姿勢」にあった。
川見店主は惜しみなくアドバイスした。
その人は「正しい姿勢」での歩き方、仕事中の座り方までも練習した。
あの「チカン撲滅式うでふり」も鏡の前に立って一生懸命に練習した。
その人は走れるようになっていった。
8月、9月には距離を伸ばしていけた。
しかし、大会まであまり時間がなかった。
酷暑に行える練習量にも限界があった。
計画していた30km走もできずに終わった。
「たった2か月ほどの練習で42.195kmを完走できるか不安でした。大会1週間前にこのお店に寄った時に『絶対に完走できます!』って励ましてもらえて、とても心強かったです。」
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はじめてのフルマラソンを走る
2016年9月25日。快晴。
北海道オホーツク網走マラソン。
スタート前は緊張した。
とにかく完走することが目標だった。
1kmを7分で走りつづければ、5時間程でゴールにたどりつくはず。
周囲の雰囲気に惑わされず、自分のペースを守ろうと言い聞かせた。
走りはじめると気持ちに余裕ができた。
途中で食べたカニ汁はカラダにしみた。
30kmまで走った。
その距離すらも初めての経験だった。
でもまだいけそうな気がした。
自然と足が前に出た。
勝手にペースはあがっていった。
前を行くランナーを追い抜いたりした。
これまでに味わったことのない気分だった。
空は青かった。
海も青かった。
ゴールのひまわり畑は陽光を浴びて金色に輝いて見えた。
「おかげざまで無事に完走できました。足には何のトラブルもありませんでした。30kmからゴールまでのペースが一番速かったです。それくらい気持ちよく走れました。」
人生で初めての42.195km。
記録は5時間08分。
「走り終えた時は、フルマラソンってさすがに遠いな、シンドイなって思いました。もう2回目はないかなって。でも、時間が経ったら、ツラかったことって忘れちゃうんですね。次の年の篠山マラソンにも申し込んでみました 。」
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そして、走りつづける。
2017年3月、篠山マラソン。
スタートラインに、その人の姿はあった。
しかし――
「トイレがとても混んでスタートが遅れてしまいました。あと、ペースを勘違いしました。途中の関門で時間切れ。あれー?って感じで。悔しかったです。」
2回目のフルマラソンは不本意な結果に終わってしまった。
2017年4月。
その人は元気な顔を見せてくれた。
川見店主は、その人が走りつづけているのがうれしかった。
「今度、トレイルランにも誘われてます。それと、5月に10kmほどのレースを2回、6月にはハーフマラソンを走ります。やりすぎですかね?(笑)」
新たに4足のシューズをフィッティング。
装着したオーダーメイド・インソールは、いずれも最上級インソールのゼロ・アムフィット。
1足目は走りこみトレーニング用(左)、2足目はレース用(右)のランニングシューズをフィッティング。
3足目はトレイルランニング用シューズ(左)、4足目はお仕事用ウォーキングシューズ(右)をフィッティング。
川見店主は、その人がさらに走れるように、新たなトレーニング方法を提案した。
その人は、すぐに実践した。
速く走れるようになるなら、なんでも試してみたかった。
その人は、すぐに実践した。
速く走れるようになるなら、なんでも試してみたかった。
・5/12 奥びわ湖15km 1時間26分
・5/28 山中湖13.6km 1時間25分
・6/4 たたらぎダム湖ハーフ 2時間5分
たたらぎダム湖は、昨年10kmのレースに出場し脚を痛めた因縁のコース。
そこでハーフマラソンの自己ベスト記録を更新できた。
その人はどんな思いで走ったのか?
以下、その人から届いたメール。
昨年に出場した10kmでは、最初の1.5kmの上りに心が折れ、最後の1.5kmの下りで思いっきり右脚のハムストリングスを痛めたので、キツかった思い出しか残りませんでした。でも、今年のハーフマラソンでは、昨年あれほど苦しめられた10kmのコースをアッサリと通過、自分でも意外なほど楽しく走れました。
レースの途中からは、前を走っていたおじさんをペースメーカーにして、ずっとついていきました。下りは慎重になってスピードダウンするため、おじさんにも引き離され、何人ものランナーにも抜かれました。しかし、上りでまた抜き返し、最後にはそのおじさんも抜いてしまいました。
一番きつかったのは、下りが終わってからの平坦な500m。
先にゴールした人たちが「がんばれー!」「あともう少し!」と声をかけてくれたのが、とても嬉しかったです。
アップダウンのきついコースで2時間5分のタイムは、私としては上出来だったと思います。また、後半にペースアップできたこともよかったです。
意外と負けず嫌いな、粘り強い自分にびっくりです。来年は1分でもいいから、タイムを縮めたいです。
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ふたたびの42.195kmへ
今年9月、ふたたび42.195kmに挑戦する。
場所は昨年初めてフルマラソンを走ったあの北海の地だ。
ひまわり畑がその人を待っている。
「目標は5時間切りです。内心では4時間45分を狙っています(笑)。」
走りつづける人の気持ちは日々清々(すがすが)しい。
挑戦しつづける人の言葉は常に瑞々(みずみず)しい。
「両親からは、いい年してなんでマラソンみたいなシンドイことをしてるのかと小言を言われてます(笑)。あ、なんかとりとめもなく話してますけれど、私みたいなランナーの話でもブログに書いてもらえるのですか(笑)?」
記録であれ、生き方であれ、自己べストを目指す人がこのブログの主人公です。
ではYOKOさん、目指せサブ5!
ますますのご健闘をお祈りいたしまーす!
(おわり)
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