【中距離走】800mを1分51秒で走る彼は、なぜ日本高校新記録の「陰の立役者」になったのか?
りゅうきくん、国体を走る
彼の姿を見たければ、陸上競技場に足を運べばよい。そして、男子800mのレースを見ればいい。
400mトラックを2周するこの苛酷な競技で、ひとり、無謀に見えるほどに、スタートからぶっとばす選手がいることだろう。
彼こそが、りゅうきくんだ。
りゅうきくんは高校2年生の中距離ランナー。
今春には、専門種目の800mで1分51秒61の自己ベスト記録を更新。
その時の話↓
夏の全国インターハイは、大会初出場で男子800m決勝7位の大健闘。
その時の話↓
そして、今月(10月5~9日)は、福井県しあわせ元気国体(国民体育大会)の陸上競技に出場、男子少年共通800mで4位入賞の大健闘でした!
いよっつ!
◆
りゅうきくん、倒れる。
つーわけで、夏の全国インターハイ、秋の国体と走り切ったりゅうきくんが、凱旋のご来店です。――りゅうきくん、国体おつかれさまでした!4位入賞は大健闘でしたね!
りゅうきくん:ありがとうございます。
――調子はどうでしたか?
りゅうきくん:最悪でした。
――え?そうだったのですか?
りゅうきくん:実は……(ナイショ)……で、試合2日前から病院へ行くほど体調を崩して、ほとんど食事できない状態がつづいてました。
――うわっ!よくそんな体調で出場できましたね。
りゅうきくん:欠場するわけにはいかないので。
――そんな最悪の状況でも、10月5日の男子少年共通800mの予選は、1分51秒69の好タイムで2位通過!そのレースの模様は動画でも見れますが、りゅうきくんは、序盤から積極的にとばしてレースを引っ張る力強い走り。そして、1位のC選手は、1分49秒86という高2歴代最高記録(当時)をマークするほどの素晴らしいレースでした。
男子少年共通800m予選のレース↓
りゅうきくん:この予選を走り終わったら、どっと疲れました。
――そりゃあ食べてないもの。よくこんなタイムで走れましたね。
りゅうきくん:宿舎に帰ったら、そのまま倒れて寝ちゃいました。
◆
日本高校新記録はりゅうきくんのおかげ!?
男子少年共通800m決勝のレース↓
りゅうきくん:とにかくこの日は風がすごかったです。走っても走っても前に進みませんでした(苦笑)。
――天候の影響は、レース全体のタイムにも表れていますね。しかも、りゅうきくんは「病みあがり」っていうか「ほぼ病人」だったわけですから。
りゅうきくん:悔しいです。反省することばかりです。
――優勝したC選手は同学年の高校2年生。りゅうきくんは全国インターハイの決勝でもC選手と一緒に走りましたよね。
りゅうきくん:さすがに彼は速いです。いつも悔しい思いをさせられてます。予選のレースが終わった時、C選手と握手しました。C選手は、
「僕が1分50秒を切って走れたのは、キミがレースを引っ張ってくれたおかげだ」
と言ってくれました。
――それは、うれしい言葉をかけてくれましたね。
りゅうきくん:そうですけど、僕は悔しさもあります。
――その後、C選手は10月14日に行われた秋季新潟県記録会の男子800mで、1分47秒51の日本高校新記録を更新してます。
りゅうきくん:速いなぁ。すごいなぁ……あー、悔しいです。
――でも、この日本高校新記録も、りゅうきくんと走った国体予選のレースで1分50秒を切れたことが、C選手にとって大きな自信につながったがゆえの結果であると勝手に想像します(笑)。
りゅうきくん:どうですかね。ああ、悔しいです。
――まちがいない!つーわけでこの話、「りゅうきくんが、日本高校新記録樹立の『陰の立役者』だった」という歴史的秘話に認定します!
りゅうきくん:それでも僕はやっぱり悔しいですけど(笑)。
◆
いよいよ困難。いよいよおもしろい。
さて、今回のりゅうきくんのご来店は、これからの秋冬シーズンに向けての準備が目的です。川見店主:りゅうきくんは、駅伝を走るの?
りゅうきくん:まだわかりません。
川見店主:でも、どうなってもいいように準備は必要だね。
りゅうきくん:そうですね。
川見店主:来年のシーズンに向けても、この冬季練習が勝負だからね。しっかり走りこまないとね。
つーわけで、2足のランニングシューズをフィッティング。装着したオーダーメイドインソールは最上級インソールのゼロアムフィットでどん!
マラソンシューズ(上)とトレーニング用(下)の計2足をフィッティング |
シューズのフィッティングが終わってから。
川見店主とりゅうきくんは、彼のレースの動画を一緒に見ながら作戦会議です。
川見店主:りゅうきくんとC選手との走りを比較すると……(ナイショ)……。
りゅうきくん:はい、それは自分でもよくわかってます。
川見店主:だから、これからは、もっと……(ナイショ)……な練習をして……。
りゅうきくん:わかりました。やってみます。
りゅうきくんには、りゅうきくんにしかない走りの「センス」があります。
それらを活かしながら、いかに改善を加えていくか。
こたえは、すぐには見つかりません。
ただひとつだけわかっているのは、彼は、まだまだ伸びていく「可能性の塊(かたまり)」だということです。
川見店主:りゅうきくんの走りを見ていると、これからが楽しみでしかたないね。
りゅうきくん:ありがとうございます。
川見店主:さっき話した秘密練習、毎日つづけてね。
りゅうきくん:はい。
川見店主:毎日やってるかどうか、おうちに電話して確かめるからね!
りゅうきくん:うっ!
彼の競技はいよいよ困難な、そしてだからこそ、いよいよおもしろい局面を迎えつつあります。
りゅうきくんのますますのご活躍をお祈りいたしまーす!
「鬼モード」に入る川見店主↓
これまでのりゅうきくんのブログ↓
・2017/09/22 800mの記録を3か月で6秒更新した中3の時の話
・2017/09/27 京都ユース高1男子800mで大会記録を更新した話
・2018/06/29 800mを1分51秒61で走る秘密のインソールとは?
・2018/09/06 彼が駆け抜けた「2400m」と「338秒」(その1)
・2018/09/06 彼が駆け抜けた「2400m」と「338秒」(その2)
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